東北×イタリア 食と文化のマリアージュ

東北×イタリア、
東西・食と文化のマリアージュで新たな価値を創造

 一つ目の狙いは、「東北とイタリアという東西の食と文化が出会い、融合することによって、新たな価値を創造する」というものです。その出会いと融合を「マリアージュ」という言葉に込めました。
マリアージュ」とはフランス語で「結婚」を意味します。男女が出会い、結ばれて、新しい命が生まれるという幸福に満ちた寓意を今回のテーマに据え、東北とイタリア・東西の出会いと交流によって、双方の食と文化の価値を高め合いたいとの理想を表しています。

東北とイタリアの食・文化の出会い、融合 また、今年2015年は、仙台藩主伊達政宗公が支倉常長ら慶長遣欧使節を派遣し、日本のサムライたちが時のローマ法王パウルス5世との謁見を果たしてから400年の節目の年となります。
 さらに、現在から時代をさかのぼること約700年前には、当時、ベニスの商人だったマルコ・ポーロが旅行記「東方見聞録」を著わしています。マルコ・ポーロがいまだ見ぬ日本を「黄金の国・ジパング」と紹介したことは有名ですが、この「黄金の国」とは、当時、平安京に劣らないほどの高度な文化を築いていた奥州藤原氏の都・平泉を指していたとの説があります。このマルコ・ポーロの書によって、欧州の人々は初めて日本(ジパング)を知ったのです。数百年の時を隔てながら、欧州と日本の間で行われた交流のいずれにも東北が深く関わっていたことは大変興味深いことです。
 21世紀の現在、私たちは、東北の一時代を築いた先人たちの偉業に勇気をもらい、魅力溢れる東北の食と文化を通じて、イタリア・欧州と東北の新たな交流を実現させたいと考えています。

手仕事、手作り・・・
手の温もりを感じる東北の食の魅力を世界に発信

 二つ目の狙いは、「東北ならではの手間を惜しまず丹念に作り上げた伝統的な食材の魅力を伝える」ということです。東北の厳しい自然風土を背景に、東北の人々は、自然への畏敬の念とその恵みに対する感謝の気持ちを抱いてきました。その気持ちが食と料理に対しても生きており、食材一つ作るにも手間暇を惜しまないという真摯な姿勢が生まれました。その丹念な手仕事が、東北の素晴らしい食文化を育んできたのです。

 イタリア人の多くもまた、こうした手間をかけた伝統食を重んじる価値観を共有します。地域固有の伝統的な食材や食文化を見直そうという「スローフード運動」は、今日では世界中に広がりましたが、もともとはミラノ市があるロンバルディア州の西隣・ビエモンテ州が発祥とされています。ミラノ博日本館を訪れた人々も、必ずや東北の食材の魅力に高い関心を寄せてくれることでしょう。

伝統食を重んじる価値観を共有するイタリア人

日本館についての詳しい情報は2015年ミラノ国際博覧会日本館公式サイトをご覧ください。

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