「東北かまどキッチン料理ショー」では2種類のプログラムを用意します。
ミシュランの星を獲得するほどの実力をもつ有名レストランのシェフが創作するような本格高級フュージョン料理と、イタリアの一般家庭で料理される日常食の2種類です。どちらも東北の食材を自分の料理に取り入れ、どれだけ世界に通用する新鮮で魅力的な味の提案ができるのかが、今回の料理ショーの見所になります。
この創作料理にチャレンジするのは2人のイタリアを代表する食・料理の専門家です。
一人は、ミラノで人気のレストラン「イ・カスターニ(I Castagni)」のオーナーシェフであるエンリコ・ゲルリ氏で、東西食文化の融合による先端の創作料理にチャレンジしていただきます。
もう一人が、家庭料理研究家で食や料理に関する数々の本を著わし、ブロガーとしても有名なフランチェスカ・ドラッジオ・ブオネルバ氏で、こちらでは主婦目線でイタリアの日常食にも応用できる料理を提案していただきます。
お二人には、ステージ上で実際にご自身の創作レシピを解説しながら、料理の実演を行っていただきます。この中で、東北の食材の魅力や引き出したい味などについても紹介していただき、来場者にもこれらの創作料理を試食いただきます。このイベントを通して、ミラノ博を訪れた人々に東北の食材をより身近に感じていただきたいと考えています。
【東北かまどキッチン料理ショーで使用する東北食材(例)】
・ 前沢牛(岩手県:岩手畜産流通センター)
・ お米(岩手県/宮城県)
・ 日本酒(宮城県石巻市:墨迺江酒造)
・ 仙台味噌(宮城県仙台市:(株)阿部幸商店、仙台味噌醤油)
・ 冷凍もち(岩手県一関市:菜花堂) 等
ステージ・イベントのもう一つの目玉である「トーク・ショー」でも2種類のプログラムを用意します。日本と欧州の「発酵食品・発酵料理」と「日本酒」をテーマとするものです。
このトーク・ショーの特長は、東北の食材という共通のテーマについて、日本と海外の識者がそれぞれの食文化を背景に意見を出し合い、そのやりとりを通じて、東北と欧州の共通点と相違点を浮かび上がらせようとするアプローチです。
「発酵食品・発酵料理」をテーマとするトーク・ショーには、日本側から発酵料理の専門家として広く知られる伏木暢顕氏、イタリア側からは、イタリア最大の料理専門誌「ラ・クチーナ・イタリアーナ(La Cucina Italiana)」編集長のアンナ・プランドーニ氏に登場いただきます。
世界にはさまざまな発酵食品・発酵料理が存在しますが、伏木先生によると、発酵の技術を用いて醸し出される「旨み」の違いをきちんと理解し、積極的に料理に採り入れているのは日本人とイタリア人だけだそうです。このため、発酵食品や発酵料理をテーマにしたトーク・ショーでは、お互いが持つ奥深い伝統的な食文化を背景に、大変興味深いお話が交わされることでしょう。
もう一つの「日本酒」をテーマとするトーク・ショーには、日本代表として岩手県二戸市の「南部美人」5代目蔵元・久慈浩介氏に、ノルウェー人で欧州唯一の「裸島」という独自ブランドの日本酒を醸造しているシェティル・ジキウン氏、イタリア・ミラノでデジタル・マーケティング会社を経営され、日本酒の普及啓蒙活動に取り組むNPO「La Via del Sake」の主宰者でもあるマルコ・マッサロット氏の2人の欧州の日本酒愛好家を加え、国境を超えて東北の多彩な地酒の魅力について熱く語っていただくことにしています。
慶長遣欧使節派遣400周年を記念して河北新報社が主催している「平成青少年遣欧使節団」派遣プロジェクトが、昨年のスペイン派遣に続いて、7月24日の東北チーム出展オープニング日に合わせ、宮城県内の高校生10名をイタリアに派遣する計画です。この高校生の皆さんにも、現地イタリア語でのスピーチやステージ・パフォーマンスを行っていただく予定です。